次亜塩素酸とアルコールの違いとは?除菌力が高いのはどっち?

次亜塩素酸とアルコールの違いとは?除菌力が高いのはどっち?
連日の報道には本当に胸が痛みます。
自分は大丈夫という理屈はもう通用しないところまで来ているようです。
自分自身、家族を守るために、家庭でできる予防は
手洗い、うがい、除菌です。
除菌剤というとアルコールを真っ先に思い浮かべる方は多いのではないでしょうか?確かにアルコールも有効な除菌効果を持つアイテムですが、強い除菌力を誇る物質はほかにもあることをご存知でしょうか?
最近よく目にする耳にする『次亜塩素酸水』とアルコールを比べてみます。
除菌力が高いのはどちらなのか?ご家庭で取り入れる除菌剤選びにぜひお役立てください。
除菌性能の違い

まずは、アルコールと次亜塩素酸水が細菌などに対してどのように作用するのかについてご説明します。

アルコールでの除菌
アルコールの殺菌効果
- 脱脂作用によって細胞膜を溶かす
- タンパク質の構造を変える作用で細菌やウイルスの機能を低下させる
- 強力な揮発性によって細胞の水分などと一緒に蒸発する脱水作用
けれど、アルコールでも死滅させられない菌がいます。『芽胞』と呼ばれる強固な細胞構造を持つ細菌で、具体的には炭疽菌・セレウス菌・破傷風菌・ボツリヌス菌などです。
芽胞菌は生命力の強い菌です。
ウイルスについてはウイルスの中の「エンベロープ」という資質の膜を持つものはアルコールで殺菌できますが、ノルウイルスなどへはあまり効果がありません。

次亜塩素酸水での除菌
次亜塩素酸水の除菌効果
- 酸化反応
- 塩素化反応
次亜塩素酸水の除菌効果は次亜塩素酸(HClO)のはたらきによるものです。
次亜塩素酸はとても不安定な物質なので、タンパク質などの有機物に触れると酸素や塩素を渡して安定な物質になろうとします。細菌やウイルスからすると、要らないものを無理やり押し付けられて死滅させられてしまうこととなります。
この次亜塩素酸の不要物押し付け能力はとても強力で、エタノールでは効果のない芽胞菌やノロウイルスでも死滅させられます。
どちらが使いやすい?
除菌効果は、次亜塩素酸水の効果が有力です。
けれど、実際に使う時の使いやすさで、アルコールと次亜塩素酸水のどちらを選ぶかを考える重要なポイントです。
それぞれの取り扱い上の注意点を考えてみます。
アルコール使用する際の注意点
アルコールを使う場合に注意が必要なこと
種類
アルコールは濃度によって消毒用アルコール(消毒用エタノール)・無水アルコール(無水エタノール)などと複数の種類があります。除菌効果を期待できるのは消毒用アルコールです。
濃度が最も高い無水アルコールの場合は、すぐに蒸発するので家のお掃除には適しません。水気がNGになる機械類のお掃除には最適です。
火気厳禁
アルコールには引火性があるので、火の気のある場所では使用しないでください。
合成ゴム・樹脂には使用しない
合成ゴムや合成樹脂製品は、アルコールによって変質してしまうことがあります。
眼や粘膜にかからないようにする
アルコールは刺激が強いので、眼や粘膜にかからないよう注意が必要です。
肌荒れ
刺激に敏感な方の場合、アルコールで肌が荒れてしまうことがあります。手に付けて除菌をすると、手がガサガサになることがあります。
次亜塩素酸水を使用する際の注意点
アルコールには危険な要素がありますが、次亜塩素酸水についても注意点があります。
使用期限が短い
次亜塩素酸水は、長期間保存し続けることができません。また紫外線や高温を嫌いますので、冷暗所での保管をおすすめします。
目的以外のものにも反応してしまう
次亜塩素酸水は汚れなどにも反応しやすいため、除菌したいものをある程度きれいにしてから使わなければなりません。
塩素ガス発生の危険
塩酸と混ぜると有毒な塩素ガスが発生します。トイレ掃除用の酸性洗剤の中には塩酸が使用されているものもありますのでぢゅういが必要です。
金属が錆びてしまう
高濃度の次亜塩素酸水や、原材料に塩酸と記載のあるものは金属を錆びさせやすい性質があります。使用後の水拭きなどが必要です。
長期保管すると強い酸性に傾く(生成に塩酸を使用している場合)
原材料に塩酸の記載がある次亜塩素酸水は、長く放置していると強酸性になってしまいかねません。塩酸ではなく炭酸を使用しているものを選ぶことをおすすめします。
次亜塩素酸水は、インフルエンザウイルスやノロウイルスの殺菌効果が実証されており、ウイルスに対する除菌・殺菌効果が期待されています。
次亜塩素酸水は除菌するとすぐ水になるため、目や口に入っても害はなく、手で触っても手荒れしません。
また、うがいに使うこともできるなど、安全性が極めて高いのが特徴です。
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結局のところ使いやすいのはどちらか?
引火性や皮膚への影響など、気を付けなければならないことが多いのはアルコールのほうでしょう。
次亜塩素酸水は肌荒れの危険はなく、金属以外であれば気を遣うことなく使用できます。さらに刺激が少ないためペット用品へも使用できます。
保管についてはアルコールのほうが楽ですが、塩酸が使われていない次亜塩素酸水ならばそれほど気を遣う必要もないでしょう。
まとめ
今回は、アルコールと次亜塩素酸水の除菌効果についてご説明しました。アルコールでは効果のないノロウイルスや芽胞菌まで除菌できるなど、次亜塩素酸水はとても除菌効果の高い物質です。
一方で、次亜塩素酸水は人体への安全性もアルコールより高いことがおわかりいただけたかと思います。
皮膚にふれても問題ない上、低濃度であれば多少誤飲しても害はありません。アルコールでは肌荒れを起こしてしまう方でも安心して使用できます。
次亜塩素酸水は長期保管できませんが、大掃除などで一気に使い切ってしまうか、毎日のお掃除に取り入れて頻繁に消費するような使い方がおすすめです。
ご家庭の除菌対策に次亜塩素酸水をぜひ一度試してみてはいかがでしょうか?